K/AB(なかほど)
 
いたかった。
潮を吹くつもりで眼を閉じたら、とても懐
かしい汽笛を鳴らしてしまった。

帰る場所は海でも陸でもないから、たぶん、
ちょうど砂浜が見えるころで泣きそうにな
ってしまうんだろう。

さよならとくじらが言った。
(ように見えた)
さよならと機関車も答えた。
(ように聞こえた)

僕はどちらにも行けるような気がした。




天の川      A train crossing
渡る列車     the Milky Way
         is
ふぉがとん    forgotten
ふぉがたん    forgotten
ふぉ〜がったん  forgotten
         and has
ご〜ん      gone.







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