K/AB(なかほど)
 
、ついのなりわいをとげるものもあ
り。それを耕す。

おかに生きるものよりも、海に生きるもの
が多いとか。わずかの影に逃げおおせれば、
これ幸い、と。我らの命の源は全て太陽よ
り得たり、とはいえ、その律動は月に、そ
の喜びは月に、その安堵は、しとりとする
土くれの中へ。

すまぬ、

全ては同じ命とはいえ、今日も耕す。ただ
己の愛するもののために、耕す。

そんな奴にさえも、木漏れ日はやさしい。
影は、
もっとやさしい。





雨が降っている。

破れた蝙蝠傘をさした賢治さんがしゃがみ
こんでいる。100年経っても芽はまだ出
ないらしい。
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