Fiction/青星円
 
そのような意思がまったくないことも確かだ。
 漆黒のナイフ…あれが始まりだった。あれが全ての始まりだった。彼は凶悪な人体のパロディーのようであり、同時に十字架の形をしていて私を見ていた。暗黒の…漆黒の剣…光を照り返すことさえない、まるで私のようだ。そう、剣は私の分身のように、私の体内から生まれ出たもののように思えた。 彼を生み出したのは私… そう…すべて…
 ―――すべては私のせいなのだ…。

 彼女にはいつまでも花のように笑んでいてほしかった。
 それを壊したのが私で、勝手ないいぐさだとはわかっていようとも、私はそう思わずにはいられないのです。
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