Fiction/青星円
いつまでも花のように笑んでいてほしかった―――
この世ではじめて美しいものを見たと思った。彼女の瞳の中にはいつも星が宿っていた。その星は真昼でも太陽にまけず照り輝く、地上で一番明るい星だった。そして永遠に輝いていられるはずだった。
―――私はダークマターのように彼女から微笑みをうばいとってしまった。
彼女は、笑わない、少なくとも、この世のものたちには、誰もわからない、彼女は、誰にもわからない、彼女を…。
星は輝きを失った。一見して輝いてるかのように見えたとしてもそれはただ光をはねかえすだけの硝子の輝きでしかない。多分、その星は光をとりもどすことはないであろう。それに、彼女にその
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