シュガー・ブルース/帆場蔵人
を、宇宙を
殺して、滅ぼし尽くし
路地裏で飢える人を
戦場で潰える生命を
親を亡くした子供を
みつめながら歌うのさ
血が流れてるその傍らで
シュガー・ブルースを歌うのさ
耳を塞いでる暇はねぇ
夢だ希望なんて玩具箱にしまって
蛇の潜む草叢に踏み出して
精のある卵を手に入れてごらん
バロットを噛み砕いて血も肉も骨も
余さず食べ残さず、きみが生きる糧から
目を逸らすな、そいつもきみを観ている
互いの首を締めあうような生き方が
生きてるってことじゃないか
そんな労苦のあとの
食事は美味いだろうさ、甘いだろうさ
そんな時、シュガー・ブルースを歌うのさ
耳を塞いでる暇なんてないよ
歌えよ、シュガー・ブルースを
前奏は頂きますから始めようか
罪深くもありがたくもない、互いの
生命を晒しているなら、ただ断るだけ
頂きます、と否応もなくね
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