書きなぐれ/あおいみつる
外は曇り空
親指の爪が伸びている
じっと見つめる
この歳になっても
相変わらずの不器用もの
若者をみて妬んだり
羨ましいと思う
雨音の予感がする
恵みの雨の予感がする
清く生きようとしても
生きられず
失望し絶望する
愚か者よ
病んでいる心は
吐き出さないから
抑圧されているから
癒されない
だから独り
書きなぐるのだ
ありのままの怒りを
吐き出せ
ああ
なぜ抑圧されているのか
委縮するのか
奇麗に飾る必要はない
その怒りを
本音を書きなぐれ
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