破片/卯月とわ子
 
わたしは粉々になった

わたしの破片をすべて集めても
貴女には成れない
貴女を粉々にして
わたしの持たない破片を拾っても
貴女には成れない

貴女がうらやましいと思ってしまったあの日
わたしは粉々になった
それらを拾い集めてくれるような
手をわたしは知らなかった

貴女は孤独を歌う
孤高の人だ
わたしが欲しいと思ったものたちを
持っている貴女

わたしが大好きなあの人の隣に立てる貴女

わたしは夢見た
貴女が粉々になる事を
でも
もしもそんな日が来たら
貴女の破片をあの人は拾い集めるのだろう
戻る   Point(5)