破片/卯月とわ子
わたしは粉々になった
わたしの破片をすべて集めても
貴女には成れない
貴女を粉々にして
わたしの持たない破片を拾っても
貴女には成れない
貴女がうらやましいと思ってしまったあの日
わたしは粉々になった
それらを拾い集めてくれるような
手をわたしは知らなかった
貴女は孤独を歌う
孤高の人だ
わたしが欲しいと思ったものたちを
持っている貴女
わたしが大好きなあの人の隣に立てる貴女
わたしは夢見た
貴女が粉々になる事を
でも
もしもそんな日が来たら
貴女の破片をあの人は拾い集めるのだろう
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