束ねた髪 濡れたスカート ポテトの草原 /ペン太郎
 
ポーランドはもう二回目
来るたびにエーヌ伯父さんのところで夕食
黙ってラジオを聞きながら
日が沈みかけ3人で食事する



エーヌさんの奥さんは健康な眼差しで
僕の期待をポテトスープのおかわりはどうかと聞き
僕はポチュギーブレッドを細かく切って
濡れた奥さんの髪に、 乾杯



エーヌさんは足が立たず
奥さんはパン粉を捏ね
広々とした草原で蝉がなく
その音とパン粉の音が会話をする


後ろからスカートが揺れて
額の汗がそばに落ちる
エーヌさんのタバコが舞い
生温い彼の腕が触れる


奥さんは何時も横目で僕をみる
エーヌさんは後ろからゆっくりと刺す
僕は一生懸命な振りをし汗を流し
大粒に命を何時もそこに落とす


又何事もなかった様に
牛が鳴き
草がささやき
ポーランドにも又僕と言う生暖かい春が来る
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