狂った文字盤の針にもグルーブは隠れている/ホロウ・シカエルボク
 
て変換される必要があるのかもしれない、俺たちが見ているものは夢だろうか、感じていることのすべては幻に過ぎないのだろうか?明日のかたちが見えない夜は滴り落ちるみたいに過ぎる、理由はどうあれ俺たちはもとより、手に触れるもののいくつかを抱え上げてそいつがどんなものなのか探りながら生きていくことしか出来ない、もう始まりのことなど知らない、終わりのことだって気にする必要などない、走者が走るのはもしかしたらゴールがあるからじゃないのかもしれない、それを知らなければ到達することが出来ない場所が必ずある、思考の先へ行け、思考を捨ててしまえ、そうすればどんなことも説明する必要などなくなる、雨に濡れるようにただの現象として、動作として―流れていくただの言葉で、最後の言葉なんて探そうともしない、それは次に書いたことが勝手に見つけて来てくれるだろう…。



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