店内の明かりの下で/こたきひろし
 
に好意を持っていたし、それをマスターに漏らしてしまっていたが。
私は強く否定した。否定しながら彼女の顔色を盗み見る自分がいた。
すると真理子さんは言った。
「Kさんですか、私には勿体ないですよ」
と言ってのけたのだ。

それから数日後。夕方六時十分前辺りに高校生らしき学生服をきた男子が一人で入ってきた。
マスターはまだ顔を表していなかった。高校生らしき客は
入ってくるなり店内を見回した。何だか誰かを探している様子だった。
私は「いらっしゃいませ」を言ってキッチンから客席の方に出ようとした。
その時真理子さんが店の裏手のドアから着替えて入ってきた。
そして客席の方に歩くとそこにいた客に近づいて親しげに声をかけた。
狭い店内。私は一瞬に心が凍り付いた。

真理子さんが私に出した残酷な答えに著しく打ちのめされて


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