空っぽに飢える/卯月とわ子
『何かが足りない』
探しても探しても
『何か』が分からなくて
満たされない心は
空っぽのはずなのに
わたしの身体は日に日に重くなる
どうしてだろう?
いつ落したのだろう?
考えても答えはやっぱり見つからなくて
『何か』はやっぱり見つからなくて
わたしは飢えていく
何もかもを取り込めば
その中に『何か』がある気がして
止まる事無く飢えを満たそうとした
いつのまにか自分ではコントロールが出来なくなるほどに
『何か』を探していたはずなのに
今のわたしはわたしを探している
あの時の
始まる前のわたしを探している
飢えは満たされない
わたしは満たされない
欠けた『何か』を見つけられなくて
失ったわたしを取り戻せなくて
何処まできたのだろう?
もう帰る場所すら分からない
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