しあわせな造物主/腰国改修
 
日であった。博士は言った。あの日、思い切ってあなたと話してみようと決断してよかった。直感というのか天の思し召しというか、この人は安らぎを与えてくれると確信した、と。

辛くて思い出したくない過去はもう終わりだ、これからは二人で楽しく生きていこう。我々は杯を掲げて見つめ合った。復讐劇は終わったのだ。

バーに備えられた大画面テレビでは、法律が改正され、国全体で同性婚が認められたというニュースが流れていた。

「博士、本当に嬉しいよ、僕らは幸せ者だよ」
「うん。僕もそう思う」と、博士は満面の笑みで答えた。

二人の足下を、虫の群れが通り過ぎた。そのあとをコロコロとボールのようなものが引きずられていた。

昆虫型ロボットにバグ。

アトランダムに三つのプログラムが行われるなどということは、幸せな造物主が知ることではなかった…

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