しあわせな造物主/腰国改修
分。昆虫型ロボットの一台が解錠作業に取りかかった。電子式のロックであったが、超小型の工作機械を搭載したロボットは器用な職人のようにロック機構を攻略していく。解錠まであと二十秒、つまり地震発生まで二十秒、他の虫たちは一斉に第三のプログラムの準備段階に入った。
博士の復讐プログラムは、地震発生とほぼ同時に、父親の頭部が格納されたボックスのドアを解錠して開ける。開けたと同時に激しい横揺れで憎しみの対象物が転がり出して床に落ちる。そこに、待機していた虫たちが一斉に襲いかかり、第三のプログラムである「人体分解」を実行するというものだった。
やがて…
五、四、カチャ(解錠)、二、一
地
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