自画像/ミナト 螢
 
人見知りの鼻息を止めたら
もっと楽しい生き方ができる

さよならを自分からは言わずに
後出しジャンケン気持ち悪いね

白いキャンバスは食パンみたいに
耳を切り落とす神聖な場所

何も聞かずに心の線を
浮かび上がらせる特別な時間

俗から洗い流した純粋な
気持ちを拾ってぶつける壁に

苦い薬を飲むと震える手が
片目だけしか描かなかったけれど

内側の顔を隠すように生えた
癖毛のせいで笑顔が半分
消えてしまうことに誰か気付いて
この絵に櫛を通してくれないか
戻る   Point(2)