美しい詩/腰国改修
 
美しさを感じるだろうから『美しいですね』となる。それでもそれは詩の対象物が美しいのであって、美しい詩とは言えないだろう。

大方の人は下半身が半分腐敗し、上半身はきれいなまま眠るように死んでいるネズミの死体に美しさを感じない。詩を書く人間は、一般的に「それのどこが美しいの?」というものを詩を書く人間であるからもっている、いわゆる詩人の目で、その対象の美しさを表現するのが一つの骨頂ではないかと思う。前述のネズミも残された上半身の毛並みは薄っすらと輝くようで、目を閉じた顔は安らかそうだ。私は以前そこに美しさを感じた。そこで、それらの表現を組み込んだ詩を見せると読み手も「何だかきれいな詩(美しい詩)
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