雪原の格闘の如く/むっちゃん
 
衰えを 実感する

年ごとに 重く 辛く

寒波が 居座ると 救急車のサイレントが 昼夜を問わず響き渡る

自然界が最も厳しい頃 人もまた同じである 

来るべき春への 憧れや 喜びとは 生けるものの 深くて 悲哀に満ちた営みでもある

うす闇の雲間から 舞い下る 幻想の情景 フワフワと白い天使がやってくる

やがて ざらざらと うす汚れて 固く 冷たく うずくまり 積み増して行き

除け者にされ 放置され 知らず語らずに 消えてしまう

やがて 用水路の汚水となり 河へ下り 大海に集い 波に揉まれ 嵐に叩かれ

雲へと昇りつめ 恵みのつぶてと成りて 帰る日は 

遥かに遠く 夢のまた先 

それでも この痛がゆい 生きざまから 解放されることを 誰かに約束出来るまで

気力を振り絞り 目を見開いて 求め続ける




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