空を飛ばない円盤/こたきひろし
 
敵の飛行機が一機だけ群れからはぐれてしまった
首都を爆撃するために幾千の機体が飛来した夜に

無差別に投下された焼夷弾は
街を容赦なく火の海にした

それは
幾千の渡り鳥が
幾千の糞をまいて飛んでいくのとは
比較にならなかった

地上には見事な地獄図がえがかれ、大量虐殺がいとも簡単に実行された
酷い殺人は
残酷と悲惨を演出し
焼けたただれた街は一夜にして瓦礫と灰に塗り替えられた

幾千の爆撃機の群れからなぜ一機だけはぐれたのか
解らない
もしかしたら
正体不明の何らかの力に
パイロットの脳が支配されてしまったのかもわからなった

パイロットが覚醒して正常
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