混沌をまんべんなく敷き詰めた小さなベッドに(そして窓の外にやって来る思慮深い友達に)/ホロウ・シカエルボク
 

アルフレッド・ヒッチコックの夕暮れのような空のなかで今日が竦み上がりながら死んでゆく、その悲鳴は、その悲鳴は…昨夜俺を悪夢から叩き出したその声とまるで同じで―なにを見ていたのか、なにを知っていたのか、あの夜の悪夢のなかに生きていた俺は―思い出そうとしても穏やかな記憶喪失に阻まれるばかりで…鼻腔の中のできものが終始不快感をばら撒いている、まるで、いけ好かないやつと一日を共にしなければならない時に、心にやってくるものと同じような具合さ―ディランはゴスペルを歌っている、そして俺は机に齧りついている、路面電車はろくに客も乗せないまま週末を消化し、はるか沖ではいまだに台風が産声を上げている…夏のさなかや
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