自然協奏曲/ミナト 螢
緑のざわめきが膝で笑い
風の咳払いが耳を撫でる
雲のフィルターが通した言葉に
洋服を着せた天使のはにかみ
夕陽に染まる頬はみんな同じ
空に浮かべた思いを綴るため
盛り付けられた一枚の皿だ
割れることもなく汚すこともない
永遠がここにあると信じた
絵になる景色を心の中で
育てているなら飾って見せてよ
落ち葉が一列に舞う踊りの
最後で首にリボンをくれたのは
循環する体温と似ている
街の匂いはガソリンの値段で
変わっていくから
鳥の鳴き声を車が引いた
今日は何だか忙しくなるね
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