秋の空気と君の記憶/
赤椿
遠い昔の秋に 落としていった 気持ちが
時折戻ってくることが ある
寒くなってきましたね 君は今でも生きていますか
君の声さえ 思い出せないけれど
心臓の 小さな痛みは 覚えているよ
眩しいほどに 黄色い 銀杏と
鮮やかな 赤い 落ち葉を
踏みしめながら 君を想う
さくりさくりと 乾燥した音が
足元から返事をして
何十何回目の秋が 君にも訪れていたらいいと思う
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