極極、平凡な毎日は/こたきひろし
極極、平凡な毎日です
極極、平凡な暮らしです
私が切に求めてやまないものは
でもね
極極、平凡な毎日や
極極、平凡な暮らしほど
簡単に手には入らないと
よくよく身をもって知らされました
半世紀以上も生きてしまいましたから
その時
私は三十代半ばでした
一人の女性と男女の契りを交わしました
恥ずかしながら
私は初めてでした
彼女もそうであったかは
考えもしなかったし分かりませんでした
自分で言うのもなんですが
私は純情な男でした
うぶだったんです
当然
結婚を考えました
結婚
しなくてはならないと
決意しました
でもそれは
男の欲望に
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