春の日差し。/
梓ゆい
桜の季節
舞い踊る花びらの中で
遺影の父が笑っている。
暖かな風が吹いて頭上を見上げれば
並んで浮かぶ雲が二つ。
その姿は
海原をゆくイルカの親子にも似ていた。
八ヶ岳の裾野に抱かれて
父と過ごした日々を思う
うれしさと
楽しさと
遠き日々の懐かしさ。
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