穴だらけの心は破れたフィルムの夢を見る/ホロウ・シカエルボク
踏ん切りのつかない弱い雨は中空で折り返して黒雲へと戻って行った、とうに濡れる覚悟が出来ていた俺は拍子抜けを食らってゲーム・センターで結構な金を無駄にしてしまう、どこをどんな風に波立ててみたところで結局は同じことだ、水面は穏やかな凪に戻るとしたものさ…激しい言葉や、強い言葉でなんとかなるだろうなんて考えているうちはまだまだ青二才だ、カーニバルでもないのに路上でステップを踏むダンサーは邪魔にされるのがオチさ、下手すりゃ殴られる…真実はいつだって静かな顔をしている、もちろん俺はそれこそが俺だなんていうつもりもない、静かな顔をしている―それは静か過ぎて俺たちのようなものにははっきりと見ることが出来
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