運命のまばたきのしかた/ホロウ・シカエルボク
 
まりにぎこちなかったせいかもしれない、そんなふうに若い娘に話しかけるなんて真似はこれまでにしたことがなかったから…「どこから来たんだい」「東のほうよ」「東の、どのあたり?」「なかほどよ」東のなかほどのことなんて俺にはさっぱり分らなかった、だから俺はふぅんとだけ言った「どうしてこんなところに居るんだい」女は肩をすくめた「バスに飽きたから…お尻も痛くなっちゃったし」「でもここは、バスよりも退屈だろう?」女はまた肩をすくめながら遠慮がちにそれを肯定した、少なくともそういう配慮くらいは身に着けている娘らしかった「もう少し乗ってれば良かったかなとは思ってるわ、それは確かね」「おかしな男は寄って来るしね」「そ
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