運命のまばたきのしかた/ホロウ・シカエルボク
三二年前に閉鎖された農場の入口、丸太と有刺鉄線の簡素な門の前で、余所者の娘がぼんやりと空を見上げていた、マーゴ・ヘミングウェイみたいな髪型で、痩せぎすののっぽだった、ちょっと引くぐらいどぎつい赤色のスタジアム・ジャンバーを着て、タイトなデニムのミニスカートがほとんど隠れるくらい長いシャツを着ていた、新しいウッドストックのものらしかったが、はっきりとは分らなかった、ナマ脚かと思ったけれど、時おり覗く心許ない太陽の光を鈍く反射させているので、肌色に近いストッキングを穿いているのだと分った、足元にはスプリングスティーンみたいなショートブーツ―まあボスは、ピンク色なんて履かないだろうけど―を、履い
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