『藤井龍平の肉迫』より。/ふじりゅう
 
草の煙が流れました。そして地球を汚します。

彼の差し出した1枚の紙切れに、一葉の詩が書かれていました。
それは、、と彼が続けます。何年かして書いた、と。しかし私は、、と。
続けますが私はその詩のあまりの稚拙さに逆に吸い込まれていく感覚を覚えてしまい。忘れていた感覚。それはピカソが辿り着いた真意に私も巡り会えた感覚。
彼の話もそこそこに、私はその詩を眺めました。余りに稚拙。そうとしか言い様のないその詩は、果たして彼にむんずと取り上げられクシャクシャに丸めて捨てられます。…。


私は詩人ではなくなってしまった。詩をツールとして使い。詩を道具として使い。


そんな彼はなぜこの話を私にはじめたのか。その理由は明らかなのです。
彼は、彼の心を、告げることで、私に、認めて欲しいだけ。
私に肉迫して欲しいだけ。
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