美空の下に美空の果てに/こたきひろし
 
を手繰り寄せた。そしてふたたび働く虫になる決心をした
その為に一日限りの研修を受けるため、私はJR線の電車に乗る必要に迫られたのだ。

生き物としてヒトとして、そして家族を支える父親として
避けられない逃げられない土壇場に追い詰められたような心情だった。
一年近くのブランクが重くのしかかってきた。

早朝の雲ひとつない空は美しい。だけどどうせならパラパラと雨が降ってくれた方が救われるような気持ちかがしてならなかった。
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