どうすればよいのかが、わからない/秋葉竹
 
もうあざやかさにそめあげられた青空が
海に落とされ
凍りつく落下速度の門を
美しく破る波の牙

切り立つ崖の上に立って私の
半生を眼下の海に沈めたい

秋も終わり

歌う虫もいず

あなたもいなくなった地上を
見下ろす魂は
雲の上から
青空をたゆたい
亡霊の儚さで
消えかけている
消えかけている愛を
取り戻そうとして
取り戻せずに
雲の上からただ地上を
見下ろしている

従順な犬の子のような
あからさまな可愛い子ではなく
小賢しくも好きになってもらうための
あさましい擬態もみせたりも
したわ

あなたが
いないとこの想いではなくこの体が
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