もうこれ以上は/こたきひろし
もう
これ以上先には進めない
そんな行き止まりに遭遇してしまう
人生
その途上
その時々に前途を遮った崖や
道の険しさに
挫折する
たとえ
崖を跨いだ先にある空にこそ
輝く虹が見えても
綱を懸けて渡るまでの勇気は
わかなかった
たとえ険しい道の先にこそ
欲しい花が咲いてても
自分の足の弱さと脆さに
断念せざる得なかった
もう
こそ以上は先には進めない
危険を予想させる道には
幾つも落とし穴が待ち受けているに違いないから
それを怖がる
私は意気地無し
気づいたら安全な道ばかりを選んで歩く
私は
意気地無し
と
言う賢明な生き方
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