やさしい世界の終はり方/石村
え。不思議だわ。
でも今日はもうお掃除もお庭の手入れも済ませましたし、
お昼のしたくもしなくていいから、
あとはずつとあなたと一緒にゐられるわ。一緒にゐませうね」
さう言つて、さと子さんは遺影に向かつてにつこり微笑んだ。
遺影の横で、さと子さんがけさ摘んできたコスモスがゆれてゐた。
(二〇一八年十月十三日)
*筆者注――本作はツイッターの創作企画「やさしい世界の終わり方」参加作品です。参照リンク:https://twitter.com/search?q=%23%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%84%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A%E6%96%B9&src=tyah
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