未来の選択肢/番田
けだるさの中で空港についた日だった
僕には連れも出迎えもなく 一人
何も照明のあてられてはいない
異国の暗がりの道を歩いていた
僕には 守るべき何かが そして
今はあったはずだったのだけれど 僕は
今は東南アジアの片隅を歩いていた しかし
昔は 一人で歩いてはいなかった道を
捨てていくものと それから
僕が これから得ようとするものの
選択をする時間はのこされてはいない そして
明日は 便がもう出てしまうから
それとも最初からそれは決まっていたのか 飛ぶ時に
荷物を持つことなどできなかった
得ることもできないものをのせて そして
僕は翌朝南部へ向かう便に乗った のせるべきものを残して
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