天使の日/秋葉竹
当は知らない
真実なんて、
誰にもわからないことなのかもしれない
ありがとう
夢みなくていい力を与えてくれ
早朝から、
今日は天使の日だと聞かされ
いつも歩くこの街、摩天楼の海は、
違った色に染まった気がした
夜が明ければ素顔をみせる
ドブ川の臭いの消えない
このクソッタレなガラクタの街に
そびえ立つタワーマンション最上階から
悲しみの天使の視線が
標識はないが一方通行の視線が
見あげる俺の顔へと突き刺さる
夢をみた、白い朝だった
天使の微笑みをみることは
きっと、2度と、ないだろう
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