変と遍/木立 悟
もしかしたら
ずっとそのままかもしれないものたちにしがみつき
ぼろぼろに
ぼろぼろになってゆく
有限の 有限の 歩幅
途切れているにちがいない
だが
つづいているにちがいない
ずっとずっと手を伸ばす
ずっとずっと冬でいる
また
風が風に乗り金属を斬る
夜の深まりと虚しさ
森の奥に
揺れる灯の火
影が咲く
影が咲く
水の失い溝を流れる風
接ぎめに触れては起こる波
壊れた時計の 確かな時
無のうたに
水の花がそそがれ
唯のうたになり
陽を揺らし 曇を揺らし
虹を降らす
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