僕らは揺れているだろう/ホロウ・シカエルボク
 

僕らは、揺れているだろう
冷めた血を滴らせながら
僕らは揺れているだろう

なにも見えない世界や
なにも聞こえない世界
そんな世界のことを
恐れ、そしてどこかで憧れもしながら

ひとりぼっちでいると
孤独は居心地がいい
タチの悪い孤独は
望まない集団の中で喉笛を噛みにくる
その牙は暗く
傷口はたちまちに腐敗して使いものにならなくなる

しんとした場所で綴るものはどこか遺書に似ている

昨日からの曇天が割れて、今日初めての太陽が寝坊を詫びるように急ぎ足で現れる、それは僕に
この世に生まれてきた瞬間のことを思い出させようとする

さっきから電線の上で

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