拘束/ミナト 螢
 
波長が合わない音楽に
置いていかれた気がして

落とした涙が
トンボの羽根の
動きを止めていると
思ったのに

ちっとも動かずに
死体だと
気付いたせいで
そこには触れずに

隣にあった
星のヘアピンを
盗もうとして
手を差し出すと

蝶々が三回も
腕の周りを
回りながら
私に手錠をかけた
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