忌み嫌う蛇が/こたきひろし
 
田んぼと田んぼの間の細い道。その道端に夏草が生い茂っていた。
道の上に陽炎が立って揺れていた。

普通の人は誰もが忌み嫌う蛇がくさむらのなかに潜んでいた。
少女は夢のなかに現れた
少年は夢を見ていた

くさむらのなかの蛇は人間の少女に化身して少年の前に現れたのだ。
これは紛れもなく夢のなかだけど、覚めなければそれに気づかない。

遊ばない?
初対面の少女が言ってきた「私と一緒に遊ばない」
「何して遊ぶの?なぜ遊ぶの」
少年は聞き返した。「僕は君を知らないんだよ。名前もどこからやって来たのかも」
すると少女は答えた「私はあなたの名前もどこにすんでるかも何もかも知ってるから
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