恋愛至上主義/立見春香
 


恋が浮かんでいるのを
あたしはジ〜ッと
睨みつけていた

恋が、ふわわわ、と
ほんとうの意味なんて知らないけど
モノマネをして
ふわわわ、と微笑んでいるのを
あたしは
あたしのいちばんやわらかい
無垢無垢なこころを隠し込んで
両手を背中のほうで組んで
(手も出せない、の寓意かな?)
(こころのなかで)
指を咥えて、
涙目になりながら、
ただ、欲しいよぉ、欲しいよぉ、って
つばを垂らしてるんだ
(だから、こころのなかでだよ?)
《こころのなかなら、いいのかよ?》

恋が、ふわわわ、と、ふわわわ、と、
なんの悲しみもない世界を
偽装してただよってい
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