そして彼はジュ・テームと/nm6
 
とり、ハア、でふたり、そしてたとえば嘘が本当になった、のようにきめ細やかな肌触り、欲望、ネオンサイン。漏水する、ぼくだけが今も楽観的だが、不利降り気味のきみはまっすぐに歩けない。パリス、きみの発音にあこがれた。




「そういうことだったんだ」
「いや、これは、違うんだよ、その、




その、


 」


クラッカーの
クラッカーの上の
クラッカーの上の蝶の
クラッカーの上の蝶の羽の


やわらかさの、ネオンサインの暖かく照らす東京。





逆立ちをすることは、あまりない。側転も宙返りも、しなくてもいい。忘れてしまっていいことも多いし、溜息だけを信じている人もいる。やわらかく、ぼくはきみを食べてしまう。クラッカーの上の蝶。
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