君の香り/
ミツバチ
交差点で君の香りがした
誰も視線が合わない
すれ違い
髪になびく風だけが交わる
そういえば今日は昼まで雨で
湿気でうねる髪に
ため息をついていた
路面の水溜まりにカラフルな影が踊れば
靴は避けようと早足で
雨上がりの虹は端は見えず
ビルは雲の切れ間に溶けていく
君のお気に入りの洗剤は
誰だって使うものだから
同じ香りは誰でもまとうけど
鼻に焼き付いた君の面影に
僕はいつだって惑わされる
交差点で君の香りがした
本当に君が居たらいいのに
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