それは例えば 閉園前の遊園地 閑古鳥の鳴くデパートメント 誰も通らない非常階段 埃の積もった工具箱 空気の止まった閉架図書室 星光をただ通し続ける真空空間 そこにはやさしいオブラートに包まれた死が横たわる 注意深い憤りに満ちていた時を通過して 熱をうしなったささやかな空論が一言ずつ展開する 「 は 、 。 、ぁ 。」 誰人の終局 それは例えば 閉園前の 閑古鳥の鳴く 誰も通らない 埃の積もった 空気の止まった 星光をただ通し続ける 黙々とのぼる大きな薄墨の雲へと 一点の鳥が 飛んでいた