ふたつの命/葉leaf
 


窓越しに見えた遠くの山嶺は厳しく青空を背負っていた。僕は君という緑を己の緑に重ね合わせて、溶け合ったまぶしい緑を背負っていく。今日、長く患っていた孤独という病が鞘に収まった。孤独は出血性でひたすら喉が渇く病で、幼く傷ついた人間が罹りやすい。だが、今日手に入れた愛という健康は、その価値の分だけ金塊のように重いのだった。

君はまったく水のようだ。僕をすみずみまで満たし、波打ち、きらめき、常に微笑みかけてくる。君といるとき、僕という岩は一緒に液状化して、同じ微笑みを交わし合う。君も本当は岩なのかもしれない。僕と一緒にいるときだけ水なのかもしれない。お互い孤独な岩同士が、愛の原野の上では互い
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