ぼくの終わる日/言狐
 
夏は嫌いだ。
だから死ぬなら、突き抜けた青い空がどこまでも続く夏の日がいい。
死に方はなんだっていい。じぶんで自ら命を絶とうが、誰かに命を奪われようが。
だけど、死ぬ場所は室内がいい。
窓に四角く切り取られた空を見ながら、息絶えたい。

ぼくの息が止まるまでの、少しの間。ぼくは言葉を交わす。
相手は、嫌いな思い出達と好きな思い出達だ。
嫌いな思い出達には「ありがとう」とは絶対に云わない。
ぼくが死ぬ頃には、嫌いな思い出たちもぼくを為す一部となっているだろう。
だから、たぶんありがとうをいわなきゃいけない。だけど云わない。
多分「君と別れることができてせいせいした」というような
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