ツノラー「富士の樹海で待ってます」/花形新次
通勤時の飛び込みほど
迷惑なものはない
飛び込んだのが自称詩人や
その家族だったりしたら
電車の代わりに
俺が撲殺してやったのによと
忸怩たる思いだ
おい、おい、鉄道関係者諸君!
そんな丁寧に
ブツを片付けなくていいので
そのまま正常ダイヤで
運行しなさい
ということで
自称詩人は
ひっそりと富士の樹海に
もぐり込んで
首括って、それがもげ落ちてから
10年経って
発見されれば良いと思う
えっ、富士の樹海に行く金がない?
てめえ甘えてんじゃねえぞ、血を売れ、血を!
(ツノラー ラスト自称詩集
「我ら事故物件予備軍」より)
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