供花/
春日線香
もう一年になる。トラックが子供をはねて今もそこに白い花が供えてある。途切れずに誰かが、たぶん遺族だと思うが替えていて、そこだけいつも瑞々しい気配が漂っている。夜暗くても甘い香りがして花が供えられているのがよくわかった。通りすがりに横目でちらりと見る毎日で、その白い花がいつまでも枯れないなにかの目印になっていた。
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