波紋の残像/ホロウ・シカエルボク
 
うと
或いはそのどちらともつかない
朦朧とした時の中でも
それはいつでも一番虫が好かない出来事を囁き続けていただろう

ピアノと、アコースティックギター
形を変えた愛と、例えるならばロザーナ
真摯で、真実であろうとすればするほどにそれは歪み
穏やかな蟻地獄のように暖かで残酷だった
すべてを知ろうともがいているくせに
どこで踏み外したのかまるで判らなかった
過ぎ去っていくものの
立ち去っていくものの数ばかりかぞえて
二五時の灯りは太陽よりも強烈に目を焼いた

約束を気にし過ぎていたんだ、いつだって
約束が大き過ぎて、いつでも
激しいサウンドの中で、迷子みたいな目をしていた
産まれてそのまま放り出された赤子のように
それが世界だと知る前から凍えているみたいだった
いまあるものが眠りだろうが
それとも同じ苦悶だろうが
永遠になることは出来た
だけどそうなるには
ほんの少し代償が大き過ぎたよな



夜明けまで
あと少し


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