波紋の残像/ホロウ・シカエルボク
 

熱帯夜、青褪めた路上で血を吐いた
のたうち回る放熱の過去
祭壇はニコチンと、それから
もう少しイルーガルな煙に煤けて
性急過ぎたエイトビート、カタルシスの
生真面目な断絶の残骸
摩天楼はいつだって白けていた
生命のあがきや輝きは
やつらにはさぞかし滑稽に映ることだろう

切り刻んだ自分自身の
深い傷から流れ出た赤い血液を
どんなふうに差し出せばとそればかり考えていて
レッドゾーンを越えたことに気づかなかった
床はいつだってありえないほど
新鮮な赤に染まっていただろう?
叫び疲れた喉が休まる暇もなく
始まる悪夢は時間を問わなかった
起きていようと眠っていようと
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