夜と姫/
木立 悟
つづいてゆく
不思議のなかであなたもつづく
かちりかちりとふいに鳴りつつ
あなたの表裏にあなたは溶ける
路傍の言葉
海草の言葉
空に刺され 笑う手首
涼やかな 涼やかな
泡の言葉
限りを持たない連なりの内
幾つも幾つも輪は描かれて
羽を透り 振り向く夜に
小さな鏡を手渡してゆく
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