一度は死んでも/こたきひろし
この世界とあの世界の境目は
真っ直ぐと続いているのか
その境目に沿ってずっと歩いていけたら
もしかしたら
永遠を手に入れられるかも
わからない
この世界では人間と言う生き物でいられた
あの世界ではいかなる生き物でもいられなくなって
無になってしまうのか
一度は死んでも
二度は死ねない理由なんて
誰もわからない
一度産まれたら
二度は産まれてこれない
だろう
それは確かか
確かなのか
閉じた眼に見えてくるものがある
塞いだ耳に聞こえてくる声がある
嗅げない匂いが鼻をかすめて
足元には見たことのない植物が生い茂る
幻想と妄想が複雑に絡み合った果てに
いつか私も滅びて仕舞うんだろうか
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