市営公園の駐車場に/こたきひろし
市営公園の駐車場に車を停めていたのは午前二時頃だった。
四月の深夜だった。
公園内には小さな池があって、だからk池公園と名前がつけられていた。
池の回りを遊歩道が一周している。桜の樹が沢山植えられていて、暗闇の中に満開に咲いていた。
まだ産まれない胎児のままで、女のこが池の中で水を浴びていた。
それはもしかしたら母親の子宮の中かもしれなかった。
彼は運転席で体は眠りながら意識が覚醒していた。駐車場には他にも数台が停まっていた。が、暗闇に沈みこんで車内に人の体温は感じられなかった。いくら夜桜が満開とはいえ時間が時間だけに公園内は無人だったに違いない。
女のこの胎児は水を浴び
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