夕立は降り、雨は止まない/
坂本瞳子
抗いようもないほど
打ちひしがれて
しぼんでしまいたい
この気持は
救いようも抗いようもなく
ただ打ちのめされて
深淵へと堕ちてゆく
雨は止まない
虹などこの世にあるものか
陽の光など
山の向こうへ消え去った
だからそこでそうやって
倒れた前でおいでよ
誰も救いには来ないから
微動だにせず
血を流したまま
気を失うこともできず
そこでそうしていたまえよ
誰も救いには来ないから
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